衣笠山の家（増田友也設計、1964年竣工） 「京都を彩る建物や庭園」選定物件

この建物は京都大学基礎物理学研究所の設立・運営に携わった理論物理学者小林稔（1908-2001）の邸宅として建設されました。設計者は京都大学工学部建築学科の教授であった増田友也（1914–1981）です。建物は鉄筋コンクリート造２階建て、南面のピロティが印象的な建物で、外観はル・コルビュジエのサヴォア邸を思わせますが、窓には木製の格子が取り付けられ、室内には襖、障子、長押が用いられるなど、随所に日本的な意匠をみることができます。西洋のモダニズム建築の造形に日本の伝統的要素を融合させた、いわゆる「日本的モダン」の趣きがあります。作庭は「昭和の小堀遠州」と評された中根金作（1917-1995）です。

この建物は2019年には京都市による「京都を彩る建物や庭園」に選定され、文化財的価値が評価されています。竣工後50年以上が経過し、老朽化も目立ってきたことから、今年度京都市より助成を受けて部分修復を行う予定です。修復前に、建物の歴史的・文化的価値を伝えるため、期間を限定して一般に公開することになりました。皆様のご来場をお待ちしております。

公開日： 2021年10月23日（土）・24日（日）10:00-17:00 【完全予約制】

ギャラリートーク：2021年10月24日（日）14:00−15: 00
トークゲスト：西垣安比古（京都大学名誉教授）
場所：京都市北区衣笠衣笠山町７（京都府立堂本印象美術館の西側道路より山手に向かって徒歩１分）
入場料：一般1,000円／学生500円（申し込み必要）建物の維持修復費に活用させていただきます。
主催：一般社団法人リビングヘリテージデザイン（旧称・住宅遺産トラスト関西）
後援：大手前大学交流文化研究所/大手前大学建築＆芸術学部 建築歴史・意匠研究室
予約申込み：以下のURLよりお申し込み下さい。申し込み締め切り日は10月15日です。予約多数の場合は抽選となります。

https://forms.gle/dtbfj5Wpx3hVu4MEA

問い合わせ：一般社団法人リビングヘリテージデザイン（担当：玉田）tamada.h@otemae.ac.jp