旧安田邸

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木造3階建、屋根はスレート風セメント瓦葺で、外壁は木片や切石を貼り付けた上に荒いスタッコ塗で、当時のアメリカで流行していたクィーン・アン様式をイメージしたものとみてとることができる。室内は、遜色ない西洋的なインテリアで構成しながら、洋館の外観に純和風の座敷や、西洋的な空間に日本的な素材を取り入れるなど、日本と欧米の住宅建築や暮らしを熟知して計画された、質の高い和洋折衷住宅だ。

宝塚市雲雀丘は、大正時代初頭、土地開発業者であった阿部元太郎が、自然環境との調和を重視した豊かな景観に、先駆的な設備をもったモダンな郊外型住宅地を計画した。阪急雲雀丘花屋敷駅から歩いて2分、当地区の形成過程の起点となる。

竣工年
1921(大正10年)
所在地
宝塚市
構造・規模
木造地上3階
敷地面積
1518.09㎡(459.22坪)
延床面積
277.35㎡(83.90坪)
設計者
不詳
施工者
不詳

平成6年(1994)宝塚市都市景観形成建築物第2号
平成22年(2010)ひょうごの近代住宅100選選定
平成22年(2010))安田家から寄贈を受け宝塚市所有となり、市民協働の観点から、地域コミュニティと共に各種イベントや啓発活動、民間事業者への打診など様々な取組を行ってきた。その後、令和元年(2019)宝塚市公共施設(建物施設)保有量最適化方針で、旧安田邸が取組対象施設となる。令和4年(2022)地域有志がCOMMON(地域の共有財)として所有権移転を図るも、資金不足で断念、今に至る。

戦後接収住宅について
雲雀丘地区では29戸、雲雀丘山手地区6戸計35戸が接収されている。接収時、即退去で泣き寝入り的な状況が多い中、当家には、当時の「JPNR返還財産引渡調書」が保管されている。復元的な修復にとって重要というだけでなく、これほど個人財産が重視された接収があったことは、戦後史の再考にもつながる第1級の史料として貴重である。